新入社員と試用期間について!新社会人・新入社員への労務対応のポイントについて解説!

新入社員と試用期間について!新社会人・新入社員への労務対応のポイントについて解説!

新入社員・新社会人への労務対応とは?

4月からは新社会人が増えます。あなたの職場にも複数の新社会人が入社されたかと存じます。新社会人を持て余した場合、試用期間内であることを理由に解雇が可能でしょうか。

新社会人は、それまで同級生という同質性のある人と関わってきたことが多いです。そのため、年上との関わり方に慣れておらず、注意されて不貞腐れるとか感情的になるという態度をとることもあります。

もちろん、新社会人も慣れてくると言葉遣いが身につき、相手に応じた態度をとれることが多いですが、中には、適応力が十分でない新社会人もいます。

新社会人の解雇に関する注意点

事業主としては、職場の人間関係に適応しない新社会人を解雇したいという気持ちに駆られることがあります。新社会人が自主的に退職する場合はともかく、自分から退職しない場合、試用期間であればより容易に解雇することができるでしょうか。答えは否、です。

私は、事業主から“試用期間内であれば自由に解雇できるのではないですか”、“試用期間内であれば解雇の要件が緩くなるのではないですか”という質問を受けることがよくあります。いずれも誤解です。

試用期間であっても雇用されている以上、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会的な相当性が認められない場合は無効とされます(労働契約法16条)。試用期間内であれば、当該期間を超えて雇用されている社員と比較して、若干、無効性の判断が緩和されていると言える程度で、客観的合理性がなくとも解雇できる、というわけではありません。

そもそも、事業主は、新社会人には基本的に社会人経験がなく、事業所において就業態度に関する指導・教育が必要であることは認識することが可能です。つまり、事業主は、新社会人が、入社してすぐに一人前に業務を遂行することができない、という前提にたってその社員を指導・教育しなければならないのです。単に、新社会人のスキル等が足りないと判断しても、そのことだけでは解雇事由にならず、事業主として、新社会人の指導・教育に手を尽くしてもなお社員として適格性がないと判断された場合に初めて解雇が認められるのです。ここで、指導・助言のほかに、当初の仕事から配置転換することを求められる職場もあるでしょう。

事業者が新社会人のために手を尽くして指導・教育をしていると、通常の試用期間(3か月)が経過することが多く、試用期間内での解雇の有効性が問題になるケースはさほどおおくありません。また、試用期間の延長は、事業主側が、新社会人の採用にあたり予めその可能性を示しておかなければ困難でしょう。試用期間は社員の身分を不安定にさせるものであり、予め示されていなければ社員が納得して試用期間の延長に同意するとは言えないからです。

労務問題/契約書/クレーム対応/債権回収/不動産トラブル/広告表示/運送業・建設業・製造業・不動産業・飲食業・医療業・士業の業種別トラブル等の企業の法務トラブルは使用者側に特化した大分の弁護士にご相談ください

つまり、人材確保が大変な時代であるとはいえ、人を採用する際にはその人となりを見極めて雇用しなければならない、ということです。

もっとも、中途採用の場合、事業主が応募者に求めるスキルを明示しやすく、いわば即戦力として雇用することは応募者側も認識できますので、試用期間中に中途採用者が必要なスキルを持ち合わせていないと分かれば、解雇も認められやすいといえます。新社会人とは別と考えてよいです。

▼関連記事はこちらから▼

大分県の中小企業における労務問題とは?弁護士が種類別に解説!

Last Updated on 4月 15, 2024 by kigyo-lybralaw

この記事の執筆者
弁護士法人リブラ総合法律事務所

事務所に所属する弁護士は、地元大分県で豊富な経験で様々な案件に取り組んでいたプロフェッショナルです。ノウハウを最大限に活かし、地域の企業から、起業・会社設立段階でのスタートアップ企業、中堅企業まであらゆる方に対して、総合的なコンサルティングサービスを提供致します。弁護士は敷居が高い、と思われがちですが、決してそのようなことはありません。私たちは常に「人間同士のつながり」を大切に、仕事をさせて頂きます。個人の方もお気軽にご相談下さい。

労務問題/契約書/クレーム対応/債権回収/不動産トラブル/広告表示/運送業・建設業・製造業・不動産業・飲食業・医療業・士業の業種別トラブル等の企業の法務トラブルは使用者側に特化した大分の弁護士にご相談ください
お気軽にお問い合わせください TEL:097-538-7720 受付時間 9:30~17:00 弁護士法人リブラ法律事務所 お気軽にお問い合わせください TEL:097-538-7720 受付時間 9:30~17:00 弁護士法人リブラ法律事務所 メールでのお問い合わせ