大分県で弁護士をお探しの製造業の方へ

製造業によくある法的トラブルとは?

製造業を営む事業主の皆様は、ご自身が製造する製品の法的トラブルとして

・納期遅れ
・製品に不具合があった場合の対処
・代金の支払い時期

が思い浮かぶかと存じます。これ以外にトラブルがあるのか、と。製造業の特徴はルーティンの確立にあり、一旦、製品を金型等で設計してしまえば、あとは納期に間に合うように作業するのが業務、という側面もあります。当事務所は製造業を営む事業主様からの相談をお聞きすることがよくあるところ、実際の法的トラブルは、製品そのもののトラブルや代金の入金にとどまりません。というより、実はそれ以外のトラブルの方が多いのです。以下では、見落としがちなトラブルについてお伝えします。

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製造業の事業所で働く「人」に関する問題とは?

物を製造する事業所では、いわゆる正社員のほかに、アルバイト、個人事業主、派遣社員、外国人が作業をされることがあります。大量の発注を受けた場合や、大分県内外で複数の工場がある場合には、正社員以外の個人が同じ事業所内で作業をする、ということがよくあります。つまり、事業所における地位は、正社員とそれ以外の個人という差があるものの、実際になしている作業は同じ、という状況は珍しくありません。その場合、気を付けるべき点は下記の事項です。

「同一労働同一賃金」問題

均等待遇・均衡待遇(同一労働同一賃金)については、①同じ仕事をしているのに、正社員とそれ以外の社員とで待遇に差をつけている場合、事業者側が他の従業員に対してその差の理由を説明しなければならず、②更に気を付けるべき点は、均等待遇・均衡待遇(同一労働同一賃金)に違反していると判断された場合、正社員と非正規社員の賃金の差額分を製造事業者が支払わなければなりません。この点は厄介な問題です。

「偽装請負」問題

製造業者が個人事業主に特定の業務を委託して工場で作業をしてもらっている場合、その個人事業主が現実に行う業務のやり方如何では、実質的に製造業者の従業員であるとして、下手をすれば残業代を請求されかねないばかりか、この問題については、労働基準監督署等の行政機関も取締りを強化しており、偽装請負という指摘を受けた場合はそれまでのやり方で業務を委託できないことはもちろん、職業安定法や労働者派遣法違反ということで処罰対象となることがあります。この点も思いもよらぬ問題点です。

外国人をとことん働かせてもよいかという問題

大分県内でも外国人留学生や技能実習生として外国人が作業所にいることが増えてきました。しかし、実は、外国人留学生を就労させることは原則的にできません。必ず資格外活動許可を受ける必要があるうえに、許可を得たとしても、労働時間は1週間28時間以内、という制限があります。また、外国人が有する在留許可の内容を確認しないと、在留許可の理由とされる事項と関係がない業務に従事していると、在留許可が更新されない、という事態も起こり得ます。つまり、これらの場合、戦力として期待していた外国人がいきなり職場からいなくなる可能性があるわけです。その外国人が技能実習生である場合は、往々にして正社員たる日本人との待遇差が生じがちですが、その場合、実習生が我慢できずにいなくなる、その待遇をSNSで拡散する等、事業所自体が社会的な非難を受ける可能性があります。

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残業代請求を含む時間外労働の管理の問題

納期の関係で、時には、正社員に時間外労働をさせることもあります。この場合、正社員が「工場長」等の役職についているから残業代を支払わなくてもよい、という誤った認識で労働時間を管理しない、という状況が生じがちです。現実には、工場長であっても残業代を支払わなければならないことが多いです。また、定額で残業代を支払っているケースも見受けられるところ「正しい定額残業代の取り決め」をしている事業所はさほど多くありません。裁判例でも、定額残業代の部分を「残業代」として支払っていると認められず、給与に定額残業代分を上乗せした時給で残業代を計算させられるケースも見受けられます。

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いわゆる雇止め、派遣切りの問題

事業者は、パートや派遣社員は正社員ではないので、雇止め・派遣切りを安易に考え、これにより苦境を乗り切ろうとするケースがあります。

しかし、人を整理するにあたっては法律上のルールがあること、また近年の非正規社員への扱いに対する社会的関心の高さを踏まえると、ルールを超えた“配慮”が必要です。安易に考えるのは危険です。

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製造された「物」に関する問題とは?

近時、注目を浴びているのは「金型」です。金型は、事業者が創意工夫した証であるのに、契約上は注文主が所有権を有するとなっていることや、下手をすれば、注文主側に金型を使われて取引が無くなってしまうこともありえます。行政機関(経済産業省、中小企業庁など)も、金型の問題を重く見て、金型の権利関係の適正化を図ろうとしています。ただ、注文主への配慮もあり、特に中小の製造事業者にとって厳しい状態が続いているのではないでしょうか。また、注文主と交わす契約内容が製造業者にとって不利な内容、ということも起こり得ます。この原因は、製造業者側と注文主との力関係や、製造業者が契約内容を十分に吟味していないことが考えられます。特に、材料の調達や代金の支払い時期について不利な契約となっている場合は事業資金の調達に苦しむことになりかねません。

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製造業の事業者の「情報」に関する問題とは?

例えば、中小の製造事業者が保有する技術情報を、大手製造業者に開示したところ、いつの間にか当該製造業者がその技術情報を勝手に利用した、という事例がよく見受けられます。この場合、製造業者側には情報管理の徹底が求められます。

また、近時、知的財産権に関する社会意識の高まりにより、製造契約で、その製造する製品が他社の特許権等を侵害していないことの保証を求められることがあります。この場合、一定の注意を払って製品を製造しないと、例えば特許権侵害に基づく製品の製造等の差止めを請求されることがあるばかりか、注文主から損害賠償を求められることもあります。

製造業のトラブルはまずは弁護士にご相談ください

・・・いかがでしょうか。

製造業者が潜在的に抱える法的リスクは、ざっと挙げるだけでも上記のような事項あります。また、実際の紛争内容は上記事項にとどまりません。例えば製造物責任法に基づく損害賠償と保険の内容等、実に多くの法的なリスクがあるとは思いませんか。これらの法的リスクは、弁護士が継続的に関わることで解消されることや、軽減されることがあります。また、様々な要因でリスクを解消・軽減することができなくとも、そのリスクを織り込んで事業活動ができるため、思わぬ損失を被らずにすみます。弁護士との顧問関係をご検討されてはいかがでしょうか。

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    Last Updated on 1月 16, 2024 by kigyo-lybralaw

    この記事の執筆者
    弁護士法人リブラ総合法律事務所

    事務所に所属する弁護士は、地元大分県で豊富な経験で様々な案件に取り組んでいたプロフェッショナルです。ノウハウを最大限に活かし、地域の企業から、起業・会社設立段階でのスタートアップ企業、中堅企業まであらゆる方に対して、総合的なコンサルティングサービスを提供致します。弁護士は敷居が高い、と思われがちですが、決してそのようなことはありません。私たちは常に「人間同士のつながり」を大切に、仕事をさせて頂きます。個人の方もお気軽にご相談下さい。

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