運送業における法的トラブルについて
大分県下の運送・物流業者の事業主の皆様、突然ですが、皆様の事業でこのようなお悩みをお抱えではありませんか?
・従業員の労務管理で悩んでいる(例えば残業代請求、中々定着しない)
・業務中に負傷した従業員の労災問題で悩んでいる
・元請業者、下請業者、荷主とのトラブルを解決したい
・運送中の交通事故問題でトラブルになっている
いわゆる働き方改革への対応が待ったなしの状況となった運送・物流業界の昨今、事業主の皆様は、労働基準局から厳格な拘束時間、労務管理の徹底、運転時間の制限が要請される等、人事労務の問題に対応しなければなりません。また、物流量の飛躍的増大により、業界的に蔓延するドライバー不足、利益の出づらい多段階下請構造という様々な課題を乗り越えて、事業継続のための施策が求められます。
加えて、運送・物流業界にもともと存在した、交通事故や損害保険の問題、高齢者の継続雇用、同一労働同一賃金の問題、有期雇用者の無期雇用への転換の問題・・・、運送・物流業界は、日々、問題への対応を迫られています。
運送・物流業の事業主の皆様は、これらの課題を、時には自らハンドルを握りつつ何とかクリアしようとしているのが現状かと存じます。
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従業員の労務管理にはどのような法的問題があるか
従業員からの未払残業代請求
平成29年に公表された某大手運送会社における未払い残業代支払額は、実に、約230億円に上りました。ドライバーの数が多いためにこのような高額の残業代が発生したのですが、残業代請求トラブルは大手企業に限られません。しかも、従業員からの残業代請求に誠実に対応しないと、労基署から是正勧告を受け、勧告を放置すると、法的に罰せられることもあります。
更に最近では、労基法関係法令に違反した場合、インターネット上で公表もされる可能性もでてきました。これらは行政・刑事に関するものです。民事面では、運送・物流業界におけるドライバーからの残業代請求額が増えています。残業代も高額になりがちです。ここで、ドライバーからの残業代請求が高額になる理由は、下記2つの法的論点で事業者側の主張が認められないことが増えてきたからです。
・手待ち時間を労働時間とカウントされ、労働時間が増える結果、残業時間も増える
・固定残業代が残業代の支払いと認められない結果、全く残業代を支払っていないのと同じように扱われ、ドライバーの時給が増額されて残業代も増額される
手待ち時間が労働時間か、という法的問題は昔からある問題であるところ、この問題は、就業規則を工夫する、発注先との契約書を工夫することで、残業代支払いを命じられるリスクを減らすことが可能です。
固定残業代の支払いが残業代の支払いと認められるかどうかについては、裁判例の積み重ねにより、固定残業代が残業代支払いとして認められるロジックが明らかになってきました。しかし、事業主の皆様が、日々の仕事をこなしながら裁判例を検討するのはかなり難しいといえます。
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従業員の労務管理―扱いにくい従業員への対応
職場にこのような従業員はいませんか?
・「(失業給付をもらうために)離職票に解雇と書いてほしい」と言われ、そのとおりにしたら「解雇無効」と主張してくる
・他の社員より仕事が遅い結果、長時間労働となるのに残業代を請求
・注意指導すると「パワハラだ」という
・診断書もないのに、精神疾患を発症したとして欠勤や休職を繰り返す
・SNSで問題映像を投稿し、会社、上司、同僚を誹謗中傷する
このような場合、事業主側のうまくない対応として
・いきなり解雇をしてしまい、後に解雇無効と主張される
・従業員からのクレームを恐れて適切な指導ができない
というものがあります。とりわけ、解雇無効と主張されたのちに専門家に相談するケースは多々あります。
前提として、運送・物流業では従業員が多くなるため、どうしても事業主のいうことをすんなりとは聞かない従業員が出てくることは避けられないということです。事業主に求められるのは、このことを前提に、扱いづらい理由をいくつかにパターン分けして、それぞれに対する対応を予め決めておくことなのです。
しかし、時には自らもハンドルを握りながら労務管理をも考えるのは無理があります。
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労働組合との折衝
事業主の職場に労働組合がなくとも、昨今は、従業員が社外の合同労組(ユニオン)に加入し、その労働組合から団体交渉を求められるケースが増えてきました。交渉に応じないという対応は絶対に有利になりませんし、労働組合側の方が、事業主より労働法を把握しています。もちろん、労働組合側のいいなりになる必要はないのですが、事業主として、組合との交渉に慣れていないのが通常ですから、準備もなく漠然と交渉に赴くと、組合側に有利な結論がまとまる可能性が高いです。
こんな時、従業員だって労働組合を代理に立てているのだから、事業主側も代理人を立てたい、と思われることはないでしょうか。
上記の問題について、弁護士がいれば、下記の対応が可能です。
・就業規則、賃金規定等の確認や修正
・賃金制度の改定も含めたコンサルティング支援
・未払い賃金、損害賠償請求の事前予防
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運送業における法律問題と弁護士対応について
業務上の交通事故
基本的には損害保険対応をされるでしょうが、事故の相手方との交渉がこじれた場合、訴訟に発展する可能性が大です。訴訟対応を事業主自身がなされるのは不可能です。交通事故に慣れた弁護士が対応することで、事業主として業務に専念できるようになります。
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外注先・受注先とのトラブル
外注先が延着事故を起こした場合の損害の負担や、積荷について損害が発生した損害の負担について、契約書を整備しておくことも重要です。
同じことは、受注先とのトラブルについてもいえます。
しかし、契約書の内容を確認し、その契約書にあるリスクを判断し、これを回避するための協議を行う時間は中々とれないのではないでしょうか。
弁護士がいれば、契約書の内容をチェックしてリスク回避のための条項を策定できます。
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その他、相談を受ける問題
運送・物流業の事業主からは、下記相談を受けることが多いです。
・トラックの音がうるさいという近隣クレームへの対応方法のご相談
・事業承継に関するご相談
・親族役員とのトラブルに関する相談
・倉庫の賃貸借契約書のチェックのご相談
・事業用土地の売買・賃貸に関するご相談
・自社トラックの修理に問題があったとして損害賠償に関するご相談
もちろん、スポットで弁護士を依頼することも可能ですが、継続的に関わる弁護士の方が、より事業主の経営状態等を踏まえた助言が可能です。
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物流・運送業のトラブルは弁護士にご相談ください
物流・運送業の特徴として、業務の動きが早く、業務過程で問題が生じる都度、的確な対応が求められるという点です。スポットで弁護士を探すより、事業主と継続的に関わる顧問弁護士の方が、より的確な対応が可能です。なぜなら、顧問弁護士なら、必然的に、事業主の事業の内容をより正確に把握しているからです。物流・運送業の事業主の皆様、是非、私たちとの顧問契約を検討されませんか。
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Last Updated on 1月 16, 2024 by kigyo-lybralaw
この記事の執筆者 事務所に所属する弁護士は、地元大分県で豊富な経験で様々な案件に取り組んでいたプロフェッショナルです。ノウハウを最大限に活かし、地域の企業から、起業・会社設立段階でのスタートアップ企業、中堅企業まであらゆる方に対して、総合的なコンサルティングサービスを提供致します。弁護士は敷居が高い、と思われがちですが、決してそのようなことはありません。私たちは常に「人間同士のつながり」を大切に、仕事をさせて頂きます。個人の方もお気軽にご相談下さい。 |